ソフトバンクショップ店員の日記

つらづら書いていきます。

ソフトバンクの強制閉店問題について店員が語る

お世話になります。

最近ネットニュースで「携帯ショップの法廷闘争」ってことで、代理店VSソフトバンクのバトルが勃発しています。

toyokeizai.net

ざっくり要約すると、株式会社IFCという代理店がソフトバンクのやり方に意義を唱えている感じです。

内部情報らしきものがたくさんあるんで僕は詳しく言及出来ません。

なので詳細は東洋経済さんの記事を見たり、You Tubeでも検索したら結構動画あるんで見て欲しいんですけど、記事に書いてある情報からショップ店員の僕が思った意見を話してみようと思います。

前提として、ソフトバンクか株式会社IFCかどっちかの肩を持つわけではないです。

どっちに転んでも僕的にはいいかなって感じです。

なので僕の持論を忌憚なく語っていきます。

強制閉店制度は後出しだから無効

株式会社IFCがソフトバンクショップ事業に参入した2012年12月時点ではこの強制閉店制度は無く、2016年3月ごろに代理店の意見も聞かず一方的に強制閉店制度を繰り出してきたと。

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IFC的には「最初から強制閉店のリスクがあるならソフトバンクショップ事業に参入してなかった。優越的地位の濫用や。ノーゲームやろ」というのが主張。

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対してソフトバンクは「成績不振なら強制閉店制度というのは前からあったし、『成績不振』の定義を具体化しただけで突然じゃないけど?」ってことで、意見が対立してる格好になってます。

 

僕の意見としては、後出しで制度が変わるって結構いろんな業界にあることだしソフトバンクだけを槍玉に挙げるのはおかしいのではっていう話です。

YouTubeとかその最もたる例だと思うんですけど、YouTubeの収益化の基準も動画投稿者を選別するかのように厳しくなっていってます。

昔は誰でも広告つけれて収益を得れていましたが、再生時間が一定以下なら収益化は出来ないと足切りされるようになり、今では再生時間とチャンネル登録者が一定以上でないと収益化の審査にすら参加出来ません。

あと昔はテレビとかラジオの無断転載で稼げたり、文字をスクロールするだけの動画でもゴリゴリに稼げたけど、今でもそれも出来ません。

最近だと子ども用の動画の広告収益が激減したとかもあった気がします。

要はYouTubeでも基準や制度が変わって、昔は通用したことが今では通用しないってのが当たり前に起きています。

それで稼げなくなったYouTuberが廃業したりして意義を唱えたりもしてましたが、今回の問題もこれと本質は同じです。

ただYouTubeは参入するのにコストがかからないけど、ソフトバンクショップに参入するのは初期投資がかなりかかるってことも書いてるんで、その辺の違いで大きな問題に発展してるんだとは思います。

まあネットビジネス以外でも急な制度変更はあるだろうし、他の業種とかも叩けばホコリは出ると思うから、一斉に見直ししてもいいんじゃないですかね。

ソフトバンクの優越的地位の濫用?

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携帯キャリアとショップ代理店の力関係はキャリアの方が強いです。これは否定出来ませんし、想像するのも簡単だと思います。

で、ソフトバンクがその立場関係を利用して、一方的に代理店に不利な制度に変えるのは優越的地位の濫用じゃねえかという話なんですけど、まあこれも難しい問題で立場によって意見がかなり変わるんですよね。

ただ、基本的には立場が強いほうが勝つ気がします。

最近だとフォートナイト作ってるEpic GamesAppleの喧嘩が同じ感じです。独占禁止法とかってワードが出てくるとこまで似てます。

「AppStoreでの販売手数料は高すぎる!優越的地位の濫用独占禁止法に触れるからやめろや!けどAppStoreじゃないと客が来ないから俺たちのゲームを消すな!」

みたいな事言ってて裁判まで起こしたけどEpic Gamesは負けてました。

まあ看板使わしてもらってるんだからある程度は従えっことなんだと思います。

が、僕も代理店側の人間でIFC側の立場の人間だからわかるんですけど、ソフトバンクって色々とまあまあな頻度で変わるんですよね。一番わかりやすいのがキャンペーンとか。

ニュースサイトとか公式HPとかで発表されるのと同時くらいにスタッフも知るから、覚えるまでの時間がほぼないっていう。

まあ情報漏えいとかのリスクを加味してそうしてるんだと思いますけど、それはキャリア側の都合で代理店側のことはフル無視。つまり立場が強いから横暴な振る舞いをしても文句言われないって話なんですけど、これも恐らく昔情報をお漏らしした代理店があったからこうなったんだと思うし、どっちも正しい意見なんです。あとはソフトバンクにも制度を変えるような理由がなんかあったんじゃないですかね。知らんけど。

だから今回の問題も代理店側からだけ見ればただの暴君ですけど、ソフトバンクからしたら「嫌なら辞めろ」って話だと思うんです。

フ○テレビの「嫌なら見るな」じゃないですけど、ソフトバンクショップ事業の参入は強制されてるわけでもなければ、やめるのも自由です。採算がとれないなら撤退すればいいって話です。

YouTubeとか普通の会社員もそうだと思ってて、YouTuberはYouTubeで稼げないなら別の事をやるだろうし、会社でゴリゴリのパワハラ上司がいてしんどいんなら辞めて転職する人が多いと思います。

YouTuberならYouTubeのプラットフォームを利用させてもらってるわけで、YouTubeが無ければ仕事が出来ないのがYouTuberで、YouTubeの規則には従う必要がありあす。

そこに従わずに甘い汁を吸うのは「お前のとこのルールは守らないけど利益はよこせ」っていう感じで筋が通らない話です。

で、冒頭言ったフォートナイトを作ってるEpic GamesAppleの喧嘩が極端ではあるけど似た感じだと思います。

優越的地位の濫用だとしても、制度を見直したら二者間だけの問題ではなく他の代理店にも影響があるんでソフトバンクも慎重になると思います。

まあソフトバンクと代理店の関係よりも、代理店とAppleの関係のほうが優越的立場の・・・ん?誰か来たようだ

ソフトバンクの評価基準は顧客のニーズを無視ってる

記事には「この評価制度であれば顧客ニーズを無視してソフトバンクの売りたいものを売った代理店が評価されることになる」と書いてるんですけど、これは至極正論だと思います。

小さいプランに入ってもらうより大きいプランに入ってもらったほうが店舗の評価が上がるから、対してデータ量使わない人にも大容量プランをおして加入してもらうみたいな感じが書かれています。

まあ営利企業として見れば、小容量プランより大容量プランのほうが月額は高いから利益も上がるってことで大容量プランに入ってもらいたいってのは分かりますが、これって問題になってるオプションとかプランの押し売り問題ですよね。

IFCのコメントで

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ってありますけど、ここに書いてあることが本当ならそうですよね。

まあ会社としての利益をとるのか、お客さんの信頼とか満足度を取るのかでここの評価基準の考え方は変わるんですけど、僕としては客商売なんですからちゃんとお客さんに合った提案が出来る環境たったほうがいいんじゃないかなとは思います。

あと記事には

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とも書かれていて、電気通信事業法ガイドラインでお客さんの利用状況に適した説明をしないとダメとなっています。

もしソフトバンクが顧客のニーズを無視した評価基準を作っていて、かつこのガイドラインも遵守してると言うんだったら

「法律で決まってるからちゃんとお客さんに合ったプラン言えよ!俺はちゃんと言ったからな!絶対守れよ!でも小さいプランだと評価しねえけどな!」

みたいな話ですよね。

そんで押し売りだなんだと法的にも問題になれば代理店の責任ですと。

まあ筋の通らない話です。

総務省も押し売りやめさせたいんなら小手先の政策するんじゃなくって本質的なとこからイジらないと意味ないですよ。

まあそんな詳しいとこつついても支持率上がんないから誰でも分かりやすい「携帯料金を下げる」って言葉でやってるんでしょうけど。

2019年10月まではIFCはいい成績だった

この記事によると店舗はS,A,B,C,Dの5段階で、D評価を3回とると閉店になるみたいです。

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だからIFCの店舗はDを3回とってしまったってわけなんですけど

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2019年の9月までは悪い評価ではなかったらしいです。

で、記事にも書いてあるんですが2019年の10月にあったのが電気通信事業法の改正でキャッシュバックが上限2万円に制限されました。

キャッシュバックって基本的にMNPをする際に貰うことが多く、キャッシュバック目当てで乗り換えを繰り返す「MNP乞食」っていう単語が生まれるレベルでキャッシュバックは結構貰えてましたが、それが終わりました。MNP乞食も同時に絶滅しつつあります。

で、記事内の表にもあるんですけど、

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この表が本当ならMNPが一番ポイントが高いことになります。

2019年9月まで評価は悪くなかった、MNPが一番利益がでかい、2019年10月からMNPとかのキャッシュバックに規制入ってそれいこうの評価がズタボロ。

記事に書いてあるこれらのことから考えると、IFCのD評価店舗はMNPだけで成り立っていたお店ってことになります。

表によると、乗り換え以外の機種変更とかでもポイントは稼げるみたいですし、今現在ソフトバンクショップがバタバタ潰れてるってわけでもないからキャッシュバック規制で評価がガタ落ちした店舗っていうのも少ない印象を受けます。

つまりどの店もMNPは規制で獲得しずらくなったけど、機種変更など他のところでポイントを稼いで評価を得ているんじゃないかっていうのが僕の意見です。

なのでIFCの店舗は

MNP希望の人は結構来るけど、機種変更のお客さんが極端に少ない

もしくは

MNPのポイントが高いからそこだけに注力して、機種変更希望の人などをないがしろにしていた

のどちらかだと思います。

前者なら集客の問題だから立地とか競合とか難しい問題ですが、後者であればお金の力であぐらをかいていただけなんで自業自得です。

ま、この勝負、生き残ったボクの勝ちってとこかな

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ってことで、ソフトバンクの強制閉店問題について記事にある情報から感想を述べて見ました。

ただこの問題、僕的にはどっちに転んでも良くて、代理店が勝てばソフトバンクの基準やらなんやらが緩和されて代理店に有利な方向へいくと思いますし、代理店が負けたとしてもこの敗北を機に基準が厳しくなることもないと思ってます。

ま、この勝負、生き残ったボクの勝ちってとこかな